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遺留分減殺請求

民法改正前の遺留分減殺請求の方法・手続とは?

遺留分減殺請求の方法には,特別な制限がありません。必ずしも訴えによる必要はないと解されています。そのため,裁判手続きをとらずに裁判外での交渉によって請求することも,裁判手続きによって請求することも可能です。遺留分減殺請求の裁判手続きとしては,家庭裁判所における遺留分減殺による物件返還請求調停と,地方裁判所(訴額が140万円以下の場合は簡易裁判所)における民事訴訟があります。なお,遺留分減殺請求には調停前置主義の適用があると解されているので,原則として,民事訴訟を提起する前に遺留分減殺による物件返還請求調停を行う必要があります。

ここでは,遺留分減殺請求にはどのような方法・手続があるのかについて,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

(著者:弁護士

遺留分減殺請求の方法

2019年(令和元年)7月1日よりも前に開始された相続において,遺贈や贈与によって遺留分を侵害された遺留分権利者は,受遺者や受贈者に対して,遺留分減殺を主張して,遺留分侵害額に相当する遺産の返還を請求できます(改正前の民法1031条)

※2019年(令和元年)7月1日以降に相続が開始された場合には,遺留分減殺ではなく,遺留分侵害額請求によって,遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することになります。

この遺留分減殺による遺産の返還請求については,特別な方法や手続は定められていません。遺産分割などのように,家庭裁判所の遺産分割審判でなければならないというような制限はないということです。

したがって,貸金や売掛金などの一般的な債権の回収の場合と同じように請求を行うことが可能です。

また,遺留分減殺請求は形成権であり,必ずしも訴えの方法による必要はないと解されています(最一小判昭和41年7月14日)。

つまり,遺留分減殺請求については,裁判外での交渉による請求もできますし,裁判所に訴訟を提起して回収することもできるということです。

>> 民法改正前の遺留分減殺請求とは?

裁判外での請求

前記のとおり,遺留分減殺請求は,必ずしも訴えの方法による必要はないと解されています。したがって,裁判外で請求することもできます。

裁判外で請求するというのは,要するに,相手方と話し合いをするということです。そして,その交渉を成立させて,遺留分侵害額に相当する遺産を任意で返還してもらうことになります。

裁判外の請求の手順としては,まず,相手方に遺留分減殺を請求する旨の意思表示をしなければなりません。

遺留分減殺請求の意思表示は,書面によってするのが通常です。この遺留分減殺の意思表示の書面は,配達証明付きの内容証明郵便で郵送するべきでしょう。

遺留分減殺請求の意思表示をする段階では,具体的に返還を求める財産やその価額まで示す必要はなく,遺留分減殺請求をする意思表示さえ示されていれば足りると解されています。

交渉の結果,話し合いがついたならば,合意書を取り交わしておくべきです。相手方が相続人であれば,遺産分割協議書とすることもあり得ます。いずれにしても,返還約束について書面化しておくことが重要です。

裁判手続による請求

遺留分減殺請求は,必ずしも訴えの方法による必要はないと解されていますが,訴えの方法によることができないわけではありません。裁判手続きによって請求することも,もちろん可能です。

裁判外での交渉が上手くいかなかった場合には,裁判手続きによって遺留分減殺による遺産の返還を請求していくことになります。

遺留分減殺による遺産の返還を請求をする裁判手続には,遺留分減殺による物件返還請求調停と民事訴訟があります。

遺留分減殺による物件返還調停

遺留分に関する事件は「家庭に関する事件」ですので,家庭裁判所の調停ができる事件です(家事事件手続法244条)。

そのため,家庭裁判所においては,遺留分減殺請求に関する調停として,遺留分減殺による物件返還請求調停が用意されています。

なお,家庭裁判所において調停ができる事件は,訴訟を提起する前に家庭裁判所の調停を経なければならないとされています(調停前置主義。家事事件手続法257条1項)。

したがって,遺留分減殺請求をする場合も,原則として,訴訟提起の前に,遺留分減殺による物件返還調停を申し立てる必要があります。

遺留分減殺による物件返還調停は,家庭裁判所の調停手続です。調停ですので,裁判官または裁判所が選任した調停委員を間に入れて,話し合いによって解決することになります。

>> 遺留分減殺による物件返還請求調停(裁判所HP)

遺留分減殺請求の民事訴訟

遺留分減殺による遺産の返還請求は審判事件ではないので,調停で話し合いがつかなかった場合には,人事訴訟ではなく,一般の民事訴訟を提起することになります。

したがって,家庭裁判所ではなく,地方裁判所(訴額が140万円以下の場合は簡易裁判所)に訴えを提起することになります。

なお,前記のとおり,遺留分減殺請求については調停前置主義の適用があるため,訴えを提起する前に家庭裁判所の遺留分減殺による物件返還請求調停を行わなければならないのが原則です。

ただし,遺留分減殺請求権の消滅時効期間は1年と短いので,調停申立て前に訴訟提起をしても,訴えは受理されることはあるでしょう(受理後に調停に回されることはあります。)。

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