遺産相続の基本用語

遺産相続の基本用語

家族法・相続法とは?

遺産相続は,民法によって規律されています。この民法のうち,財産に関する規定の部分のことを「財産法」と呼び,家族関係に関する規定の部分のことを「家族法」と呼ぶことがあります。この家族法のうち,親族関係に関する規定の部分のことを「親族法」と呼び,遺産相続に関する規定の部分のことを「相続法」と呼ぶことがあります。相続法については,平成30年7月13日に大幅な改正がなされています。

ここでは,この家族法・相続法とは何かについて,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

(著者:弁護士

相続に関する法律

遺産相続の問題は,法律問題です。そして,この遺産相続に関する規律・ルールは,「民法」という法律に規定されています。

民法とは,市民の財産・身分のルールを定める法律です。私人の法律関係を定める法律のことを「私法」といいます。民法は,私法のうちでも最も基本的な法律ですので,私法の一般法といわれています。

一般法とは,一般的に適用される法という意味です。

一般法のほかに,例えば会社関係を特に定める会社法など,特定の事項にだけ適用される法のことを特別法といいます。特別法が適用されない場合には,一般法が適用されることになります。

つまり,私人間の法律関係については,特別法が適用されない限り,民法が適用されることになります。

遺産相続の問題の場合も同様です。遺産相続の場合もやはり,特別法がない限り,民法が基本的なルールとなります。

>> 民法とは?

家族法・相続法とは?

前記のとおり,遺産相続の基本的なルールを規律する法律は,民法です。

この民法には,財産に関する規定と家族関係に関する規定とがあります。財産に関する規定の部分のことを「財産法」,家族関係に関する規定の部分のことを「家族法」と呼ぶことがあります。

家族法には,離婚など親族関係について定める規定と遺産相続について定める規定があります。親族関係に関する規定の部分のことを「親族法」といい,遺産相続に関する規定の部分のことを「相続法」といいます。

ただし,遺産相続の問題は,身分関係の問題というよりも,相続財産をどのように扱うべきかという財産的な問題ですから,財産法の規定が多く準用されています。

上記のとおり,家族法や相続法というのは,あくまで民法のうちの一部分(相続法はさらに家族法のうちの一部分です。)のことを指していますから,家族法や相続法といった個別の法律があるわけではありません。

相続法の改正と経過規程

相続法は,昭和55年以降,大きな改正はありませんでしたが,非嫡出子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする旧民法900条4号が最高裁判所において意見とする判決(最大決平成25年9月4日)ことを受けて民法の一部改正がされたことを契機に,相続法の見直しが検討されるようになりました。

その結果,平成30年(2018年)に,相続法の大幅な改正が行われました(平成30年7月13日公布)。

改正相続法は,令和元年(2019年)7月1日に施行されています。一部の規定に関しては,平成31年(2019年)1月13日または令和2年(2019年)4月1日に施行されています。

ただし,施行日以降は,それまでに進んでいた相続の手続などもすべて新しい相続法の規定に従うということになると,混乱を生じるおそれがあります。

そのため,改正相続法については,いくつかの経過規程が設けられています。

経過規定とは,法令の改正や廃止があった場合に,新法の効力が発生した後も,旧法の規定を適用することによって,既存の法律関係を認める旨の規定のことを言います。

したがって,相続法が改正されているものの,相続の開始時期によっては改正前の規定が適用される場合があるので,その点は注意しておく必要があります。

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