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遺産分割

不動産はどのように遺産分割されるのか?

遺産分割の対象となる財産のうちで最も頻繁に紛争となりやすいものは,土地・建物などの「不動産」かもしれません。ここでは,不動産の遺産分割についてご説明いたします。

(著者:弁護士

相続開始から遺産分割までの間の不動産の共有

相続開始されると,相続財産は,原則として,遺産分割によって各自の相続分が確定されるまでの間,相続人間での共有となります。

不動産も同様です。相続が開始されると,遺産分割されるまでの間,相続財産のうちの不動産は,それぞれの相続分に従って,法定相続人の共有となります。

たとえば,法定相続人として各2分の1ずつの法定相続分があるAとBとが法定相続人となった場合,相続財産として不動産があったとすれば,その不動産について,AとBが各2分の1ずつの持分で共有することになるということです。

共有するということは,お互いに,それぞれ当該1個の不動産全体に対して権利を有していることです。2分の1の持分しかないから,不動産の2分の1しか利用できないというわけではないです。

持分が2分の1であるというのは,たとえば,その不動産を売却した場合や賃貸した場合に受け取る金銭の2分の1を受け取ることができ,また処分等をするに際して,持分の割合が影響してくるということです。

その不動産全体に対して利用権を有していることは,持分が2分の1であろうが100分の1であろうが変わりがありません。

そして,この相続による共有関係は,遺産分割によって,各共同相続人の具体的な相続分が確定されて解消されることになります(ただし,遺産分割で共有とすることも可能です。)。

>> 遺産分割の対象となる財産の範囲

不動産の遺産分割の方法

不動産の遺産分割の方法には,さまざまなものが考えられます。

現物分割

いざ不動産を遺産分割する場合には,さまざまな方法が考えられますが,原則論をいえば,前記のとおり,それぞれの相続分に応じてその不動産を共有するということになるでしょう。現物分割と呼ばれる方法です。

代償分割

もっとも,たとえば,特定の不動産を相続人の1人が利用しているような場合には,その不動産を共有にすることを,その利用している相続人が望まないという場合もあるでしょう。

そこで,不動産の遺産分割の方法として「代償分割」があります。これは,ある特定の相続人が不動産の所有権を単独で取得するなどした場合に,その他の相続人に対しては,それぞれの持分に応じた金銭を支払うという方法です。

不動産の遺産分割紛争では,この代償分割による解決が少なくありません。

個別分割

個別分割という方法も考えられます。これは,相続財産として複数の不動産等がある場合に,特定の不動産はある相続人に、預貯金は別の相続人に,というように個別の財産の全部を承継させることによって解決を図る方法です。

不動産以外にも遺産がある場合には,この個別分割という方法もあり得ます。

換価分割

相続財産のうちの不動産を誰も利用しないという場合には,換価分割という方法がとられる場合があります。これは,その不動産を売ってその代金を,それぞれの相続分に応じて分配するという方法です。

遺産分割における不動産の評価

不動産の遺産分割において問題となるのは,やはりその不動産の価額評価ではないでしょうか。

現物分割の場合はともかく,それ以外の方法によって分割をしようという場合には,その不動産の価額をいかに評価するかが重大な問題となってきます。これが決まらなければ,どうやって分割すべきかも決まらないからです。

不動産の評価の方法としては,基本的に以下の方法が考えられます。

  • 公示価格
  • 固定資産税評価額
  • 路線価格(相続税評価額)

どの方法を用いて遺産分割における不動産の価額評価をすべきかということについては,法律の定めはありません。それだけにどれを基準とすべきかということは難しい問題でもあります。

もっとも,実務上は,上記3つの公的な評価方法を加味して算定される実勢価格を評価額とすることが多いと思われます。要するに,実際に売りに出したらいくらで売れるのかという市場価格です。

この実勢価額・市場価額は,やはり,不動産鑑定士などの専門家に算出してもらうことになります。

なお,相続人間の話し合いで,評価額を決めることはもちろん可能です。その場合には,どの基準を用いてもかまわないでしょう。要するに,話がつけばどのような価額でもよいということです。

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